ヤマザクラ
Posted at.2008/09/29
学名 Prunus donarium バラ科
主たる分布 日本
樹種解説 落葉高木。日本特産。樹高15m・胸高直径1m。幹は直立し分枝。葉は有柄で、長円・倒卵形。北は宮城県、新潟県から九州までに自生をしている。サクラは昔から日本の文化や風土、または精神的な面で関わりが深く、花といえばサクラを指し、サクラといえばヤマザクラを指していた。一般にサクラは短命とされているが、それはソメイヨシノなどの園芸種のことで、自然のヤマザクラには樹齢1000年以上という巨木がある。一般にヤマザクラと称するものは三種に区別される。シロヤマザクラは宮城・新潟県以南の本州、四国、九州、屋久島、朝鮮半島南部に分布し、薄紅色の花をつける。オオヤマザクラは北海道、本州北中部、樺太、朝鮮半島に分布し、花の色は濃く淡紅色、花も葉も少し大きい。カスミザクラは北海道から九州まで、朝鮮半島に分布し、やや深山に生じ、花期が遅く花はほとんど白色である。樹皮は紫褐・暗褐色で赤味を帯び、横に縞が入る。心材は褐色ないし赤褐色、辺材は淡黄褐色、両材の区別は明瞭。注意して見ると不鮮明な緑色の条や、材全体が緑色を見ることができる。木材はやや重硬で肌目は緻密。耐久・保存性は高く、加工性中位。乾燥困難。花見などの、観賞を自的とした評価が高いことから、防災、庭木、街路樹にされる。材として利用される量は少なく、責重な材料となっている。材は建築、和風家具、楽器、家具、器、彫刻・柱・床板・鴨居・漆器木地・算盤・盆・椀・定規・版木、シタン・コクタンの模擬材。などに用いられ、昔から版画の版木として使われました。樹皮は高級家具や茶筒に使う。樹皮の内側から桜皮と呼ばれる生薬がとれ、煎じて咳の薬としたり、エキスを鎮咳薬として使う。