○ネズコ
Posted at.2008/09/25
学名:Thuja standisii
ヒノキ科
産地分布
本州の北部から中部、さらに中国、四国地方にも分布し、その分布の中心は本州中部の山岳地帯である。昔から木曽五木の一つとされてきているのも、木曽地方に多く分布していたからであろう。どちらかというと、産地でよくしられ、大都市の市場ではあまり見当たらない。ところが、一方で、現在米材の一つとして知られているベイスギは、アメリカ産のスギではなく、植物としてはこのネズコの類である。したがって、われわれ日本のネズコを使わないで、アメリカ産のネズコの類を使っていることになる。
木材の特徴
辺材と心材の境界ははっきりしており、後者はくすんだ黄褐色と褐色などで、前者は黄白色。早材から晩材への移行はかなり急で、そのため年輪ははっきりと見える。肌目は精、気乾比重は0.30〜0.42で、軽軟な木材といえる。切削などの加工は容易だが、仕上がりは特によいといえない。保存性は中庸で、上述のベイスギが保存性の高い木材であるのに比較して劣っている。
一般的な用途
分布が限られているので、利用は限られている。天井板、障子などの建具材、和机、下駄、指物などに使われている。