シポ
Posted at.2008/09/28
学名 Entandrophragma utile センダン科
主たる分布 西アフリカ(この地区を材質表に掲載 )、中部アフリカ
樹種解説 樹高は60mかそれ以上にも達し、直径2m。長くてまっすぐな幹をもつ。枝下高40m、に達する大高木で5mの板根がある。非常に幅広い板が採取できる。ユティル(またはシポ)はアフリカ産の木材中傑出したものの一つで、西アフリカのシェラレオネ、コートジポアール、ザイール、アンゴラに至る範囲に分布している。蓄積はかなり多い。市場へは主にコートジボワール、コンゴ、ガーナとカメルーンから供給されている。シポという名前はフランス語圏で使われ、英語圏ではユチルと呼んでいる。心材と辺材の色の差ははっきりとしている。辺材は灰桃色あるいはやや紫色を帯びた褐色で、心材は紫色を帯びた桃褐色である。交錯木理が強く出ているので、リボン杢がみられる。やや重硬な木材と言える。材面はサペルに似ているが、肌目は粗く、一般に交錯木理をもつが、縞はもっと幅広くてあまり装飾的ではない。色調はマホガニー・レッドである。アフリカン・マホガニーよりはかなり重く、サペルよりもごくわずか重い。乾燥には時間がかかるが、狂いは大きくはない。加工は容易であるが、柾目面を美しく仕上げるためには刃物の角度に注意が必要である。目止めをすれば仕上がりはよくなる。接着や塗装に問題はない。耐久性はサペルやマホガニーよりも高い。サペリの代替品として用いられ、よくサペリの丸太の中に混入している。用途は化粧用単板、家具材、細工材、キャビネットに用いられる。強度と耐久性が高いので、いろいろな乗り物、船や貸車の建造などの構造材として優れている。合板用にロータリー切削され、その合板は耐久性に加えて強度が高いので、どんな過酷な使用目的にも適している。