ベイトウヒ シトカスプルース
Posted at.2008/09/29
学名 Picea sitchensis マツ科
主たる分布 北アメリカ西部
樹種解説 常緑樹、樹高30〜60m、直径60cm〜2mに達する。大きいものは直径が5メートル。枝は長く横に広がり、葉色は灰色を帯びている。産地はアラスカ南部からカリフォルニア州の北部に至る、かなり寒い地方にまで分布している。寒冷地、痩せ地などの厳しい環境の素でも早く生育するため、ヨーロッパやアメリカでは多数植林されており、建築材、紙パルプ材などに多く利用されている。商業名のアラスカ桧という名前がついているが、ヒノキ類ではない。種名のシトカはアラスカにある村の名で、この周辺はスプルース群生地。北米には数種のトウヒ類があるが、もっとも代表的なものはこれである。辺材は淡黄色〜白色系クリーム色。心材は淡黄〜淡褐色。早材から晩材への移行は緩かで、年輪は顕著とはいえない。肌目は精で、木理は一般には通直である。乾燥、加工共しやすく、仕上がり面は滑らかで光沢がある。欠点としては、厳重に保存していても、空気に触れていると、桃色〜赤褐色に変色する。スプルースの新鮮さが無くなってしまう。音響性能性に優れ、弦楽器の最適材として多く使われている。ハープ、グランドピアノ、アコースティック・ギター、バイオリンの饗版に利用。スピーカーボツクスは暖か味があり、フラットピッカーに好まれる。用途は飛行機のプロペラ、ボートのマスト、一般建築材料、家具、器具、建具、合板、箱、密封梱包用の箱、木枠。飛行機への利用としては重さあたりの強度があり、材質が安定していることから1次の世界大戦には主材料として、2次世界大戦には特殊な木製飛行機として利用された。西海岸の先住民は若い柔軟な根と若い樹の小枝でバスケットや家庭用品を作る。